SONY MDR-M1ST ハイレゾ対応プロ用ヘッドホンレヴュー

初めてこのヘッドホンの音を聴いた時、驚愕しました。

このMDR-M1STは、ソニーとソニー・ミュージックスタジオが約4年半かけて開発しただけあって完成度が非常に高いプロフェッショナル用モニターヘッドホンです。

ソニーは、すでに国内レコーディングスタジオや放送局で圧倒的な定番となってる名機MDR-CD900STを持っていますが、MDR-M1STはこれの代替機ではなく両機種を併売するようです。

さらにソニーは、数年でモデルチェンジを繰り返すコンシューマー機と異なり、このMDR-M1STを「何十年も製造供給続ける前提で開発されたモデル」と位置付け、定番として製造を続けていくと述べています。

ハマー

安心して使い続けられますね。

ソニーらしいカッコいいデザイン
機能性能を追求したら、この形になったらしい。
プラグはステレオ標準プラグ。

音を比較してもMDR-M1STは、MDR-CD900STの発展型ではなく全く別の音がします。

驚くべきは、MDR-M1STの周波数特性!

5~80,000Hz!!

人間の可聴範囲は周波数で20~20,000Hz、それをはるかに超える数値です。

イルカは、超音波を出して仲間とのコミュニケーションを取ることが分かっています。

そして音楽に含まれる超音波が、人間を心地よくさせる作用があり”癒しの効果”があると言われています。

ハマー

頭もよくなるかな?

??

音の印象は、高域はどこまでも自然に伸びていき透き通るような自然な音です。

パステル調でさらさらとしています。

中域は、意外と骨太で存在感があります。

低域は、柔らかくもパワフルで空気を震わす様子が目に見えるようです。

そして楽器の配置も明確に表現して、全ての音が分離して聴こえてきます。

迫力を感じるのに音がとても滑らかで爽やかなのに驚愕しました。

【私のMDR-M1STの評価】
満足度   ★★★★★ 5
高域の質  ★★★★★ 5
中域の質  ★★★★☆ 4
低域の質  ★★★★☆ 4.5
細やかさ  ★★★★★ 5
迫力    ★★★★☆ 4
音場の広さ ★★★☆☆ 3

目次

MDR-1STはこんな人におすすめ

①解像度が高く爽やか音が好きな方

プロフェッショナル用のハイレゾ対応モニターヘッドホンですが、

録音のあら捜しに使われるMDR-CD900STと異なり、MDR-M1STは伸びのある透明で滑らかな音です。

リスニング用として快適な性能を有しています。

クラシックを聴くと、情報量が多いソフトでも弦の音がシルキーなタッチでとても滑らかに再生されます。

これはモニターヘッドホンとして驚くベきことです。

バイオリンの音の再生は、刺激的になりやすいですからね。

安心してアンプのボリュームを上げることができます。

②低域重視の方

一聴すると柔らかく大人しく感じますが、ここぞというところでは弾力性のある空気を振動させるような低音が鳴り響きます。

それがベースの形が見えるような音像で、濃淡といいエコーの始まりから終わりまではっきり確認できます。

迫力があるのに、描写が把握できるような立体的な音像に驚愕しました。

③オールジャンルの音楽をひとつのヘッドホンで楽しみたい方

モニターヘッドホンには硬質な製品が多くありますが、これは違います。

ボーカルを聴いて驚いたのは、全く強調される変な部分が無く自然な声を再生されることです。

そしてそれが生々しいのです。

オーケストラの音も、ひとつひとつ丁寧な描写で美音です。

ハマー

ソニーの業務用製品は、長年供給され続けるので安心ですね。

MDR-M1STでの試聴

 Charli Xcx  「How I’m Feeling Now」の9曲目「party 4 u」で試聴。

【試聴環境】
・SACDプレイヤー  DENON DCD-2500NE
・ヘッドホンアンプ LUXMAN P-200

MDR-CD900STとの比較のため同じ曲で試聴します。

ボーカルは「サ行」の強調もなく自然な表現です。

ハイハットの音も正確で音像の定位も見事の一言。

音の解像度もこれ見よがしな所は全くなく、それでいて全部聴こえる感じです。

圧巻なのはシンセベースの低音、鳴り始めから鳴り終わるまで音の陰影やエコーの減衰まで、楽器の音がまるで形があるようにパワフルに迫ってきます。

ハイドン:交響曲第88番「V字」・第100番「軍隊」
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団


【試聴環境】
・SACDプレイヤー  DENON DCD-2500NE
・ヘッドホンアンプ LUXMAN P-200

1963年ステレオ初期の録音ですが、有名なプロデューサーのジョン・マックルーアと当時最高の機材で録音されています。

交響曲第88番「V字」です。

このCD「Blu-spec CD」で情報量は多いけど神経質な音がするのが欠点なのですが、何ともまあ優雅な音で表現されます。

MDR-M1STで鑑賞すると、ブルーノ・ワルターの指揮芸術がいかに偉大だったのか実感できます。

オーケストラのコントロールが細部にまで及んでいて、強弱の付け方などリハーサルを繰り返し教え込んだことが分かります。

ホールに響くエコーの減衰も消えていく姿が美しい。

そして交響曲第100番「軍隊」、チャーミングな演奏がさらにチャーミングに聴こえます。

臨時編成のコロンビア交響楽団が、ウィーンフィルのような響きを出します。

MDR-M1STの仕様

開くとこんな感じです。
ヘッドを180度回転させることはできません。

仕様
■型式ダイナミック、密閉型
■ドライバーユニット40mm、ドーム型(CCAWボイスコイル)
■音圧感度103dB/mW
■マグネットネオジム
■周波数特性5~80,000Hz
■インピーダンス24Ω
■最大入力1,500mW
■ヘッドホンケーブル約2.5m、ステレオ標準プラグ
■重量約215g(ケーブル含まず)
ハマー

周波数特性が凄すぎます。

最後に一言

こんな小さな箱で届きました。
それがプロフェッショナル用業務用製品の証!?

このMDR-M1STはプロフェッショナル用の業務用商品のため、初期不良対応のみとなっております。

無償修理期間の設定はなく、全て有償での修理となります。

届いた箱もいかにも業務用という感じで、とても小さな箱に入っています。

でも音はというと、プロフェッショナル用のモニターヘッドホンによくあるような刺さる音は一切しません。

私は、MDR-M1STの歌手や楽器の存在感を楽しくそして美しく表現するという個性をリスニング用として楽しんでいます。

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この記事を書いた人

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