このソニーのMDR-CD900STは、日本一有名なヘッドホンです。
発売されたのは1989年、レコーディングスタジオや放送局での使用を目的としているため、音質と耐久性に優れています。
数多くのレコーディングスタジオや放送局に常備されていて、実際ミュージシャンが使っている画像をよく見かけます。
先日NHKでも、このヘッドホンを使っていました。
ということは全員これなんですか?
同じ音で確認しなければならないので、おそらく・・・
あまのじゃくな私は、皆と同じものを避けていたのですが、
ちょっと興味を持って注文したところ品薄(人気があるため)で届くまで1カ月半待ちました。
そして試聴・・・
が~ん!めちゃくちゃいい!
あらら
と激しく後悔しました!!!
ソニーとソニー・ミュージックエンタテインメントが共同で開発して、30年以上ものあいだ現場で活躍している製品です。
ソニーストアでの価格は、19,800円(税込み)です。
MDR-CD900STがぴったりなのはこんな人
①解像度が高くきれいな音が好きな方
ソフトに入っている全ての音が聴こえ、音はというとソニーらしい美しい音なのでジャンルを問わず楽しめます。
想像していたのとは違って、意外と滑らかな音です。
解像度が高いので、クラシックもなかなか得意です。
②高品質のモニターヘッドホンをお探しの方
周波数特性をみるとフラットですが、聴感上低域と高域が少し強調されているように感じます。
高域は極めてクリアな音質で、少し硬質ですがソニー特有のパステル調の優しいきらびやかさが特徴です。
金管楽器はキラキラと輝くように再現します。
音場は広いとはいえず、耳の横で全ての音が聴こえます。
③あまりにも有名だからと敬遠していた方
それは私です!
宇多田ヒカルさんも、オレンジのシールをはがして使っていますね。
意外ですが、中低域の馬力はけっこう凄いです!
アマゾンでは品薄状態なのかな?
MDR-CD900STで試聴
Charli Xcx 「How I’m Feeling Now」の9曲目「party 4 u」で試聴。
【試聴環境】
・SACDプレイヤー DENON DCD-2500NE
・ヘッドホンアンプ LUXMAN P-200
ボーカルは、硬質の天然水といった感じですがハスキーな部分も正確に描写します。
高域は、キラキラと輝きます。
やはり全ての音がくっきりはっきり分かります。
解像度が高いですね。
サビの部分に来ると、中低域が空気を震わすような音圧で迫ってきます。
それも音の形がはっきり分かるくらいなのに!?です。
予想をはるかに上回る迫力です。
圧巻でした!
ハイドン:交響曲第88番「V字」・第100番「軍隊」
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団
【試聴環境】
・SACDプレイヤー DENON DCD-2500NE
・ヘッドホンアンプ LUXMAN P-200
1963年ステレオ初期の録音ですが、有名なプロデューサーのジョン・マックルーアと当時最高の機材で録音されています。
まず「V字」ですが、凄い解像度です。
弦に弓が当たる音まで聴こえてきます。
木管楽器の音も正確に描写しています。
音響効果抜群のハリウッドにあるアメリカン・リージョン・ホールに、弦の音がぶんぶん響くのが分かります。
比較的編成の小さいコロンビア交響楽団をここまで雄大に鳴らすブルーノ・ワルターには感動します。
そして「軍隊」、とてもチャーミングな演奏です。
ウィーンフィルの常任指揮者だったブルーノ・ワルターが、アメリカの臨時に彼のために編成されたコロンビア交響楽団からウィーンフィル時代の音を引き出しています。
老齢のブルーノ・ワルターは、入念にリハーサルを繰り返し団員にニュアンスを教えたと聞いています。
だからまるでウィーン訛りですね。
MDR-CD900STの仕様はこんな感じです
プロ用なのでヘッドの部分もくるりと180度回転して、片耳に当てることができます。
こちらもプロ仕様、標準プラグでの使用が前提となっています。
小さな箱にぽんと入っている感じで届きました。全てが武骨でプロ仕様!?
仕様 | |
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■形式 | 密閉ダイナミック型 |
■ドライバーユニット | 40mm、ドーム型(CCAW採用) |
■最大入力 | 1,000mW |
■インピーダンス | 63Ω |
■音圧感度 | 106dB/mW |
■再生周波数帯域 | 5~30,000Hz |
■コード長 | 2.5m |
■コードの太さ | Φ4.0mm |
■プラグ | ステレオ標準プラグ |
■重量 | 約200g(コード含まず) |
最後に一言
このMDR-CD900STというヘッドホンは業務用のため、どの販売店で購入しても無償修理期間の設定がありません。
全て有償修理となります。
その点だけは了承して購入してください。
でもプロが多く愛用しているため、いろいろなパーツが純正品を含めてたくさん販売されています。
●ドライバーストッパー
●ヘッドバンド
●ハンガー
●ハンガーフタ
●ドライバーユニット
●プラグ付きコード
●イヤーパッド
●ウレタンリング
●MDR-CD900ST用スクリューネジ
最初に劣化すると予想されのは、イヤーパッドですね
純正品ではありませんが好評なイヤーパッドは、これです。
イヤーパッドを換えると音変わりますよ。
ほんとに~?
このヘッドホンMDR-CD900STは、リスニング用というよりはモニタリング向きだと思います。
音が近くで聴こえますし、純正のパッドが蒸れやすく長い時間耳にのせ続けることが出来ないからです。
解像度が高いので、レコーディングスタジオで一種の”あら捜し”に使うにはぴったりの製品ですね。
ただ音の純度が高く低域から高域にかけてのバランスが取れているので、
リスニング用として使うのも、おおいにあり!だと思います。
駆動力のあるヘッドホンアンプを使えば、ブーストしなくても”空気を震わす”低音を楽しめます。
実際にわたくしリスニング用として楽しんでますし!