一言でいうと、いい音ですが律儀な音です。
このヘッドホン、1万円以下で買えるヘッドホンの中ではダントツのコストパフォーマンス。
AKG K240 STUDIO-Y3は、スタジオ用のプロフェッショナルヘッドホンです。
音をたとえると、すっぴんの美少女という感じです。
もし高価なヘッドホンに手が出せないというのであれば、このK240 STUDIO-Y3を試聴してみましょう。
人気のある商品ですが、以前国内では正規取り扱いがストップしている時期がありました。現在ヒビノ株式会社などの正規代理店が取り扱いを再開しております。嬉しいことに、「3年保証」付です。
最初音を聴いた時は若干乾いた音がして、「むむ!」失敗したかなと思いましたが、40時間のエージングのあとは、滑らかな音に変化しました。エージングは大事です。
セミオープン型のヘッドホンで、音場は自然な広がりがあり、一つ一つの音がはっきり聴こえます。
欧米のレコーディングスタジオでモニターヘッドホンとして広く使われているのは、この特性が愛されているからでしょう。
【試聴レポート】
Charli Xcx 「How I’m Feeling Now」の9曲目「party 4 u」で試聴。
・SACDプレイヤー DENON DCD-2500NE
・ヘッドホンアンプ LUXMAN P-200
Charli Xcxのこのアルバム、少しノイジーなサウンドですが相性の良いヘッドホンだと、最高にノリノリな気分が味わえます。
全体的には、暖かさのある自然な感じの再生音です。
高域は、全く耳に刺さらず飾り気のない素直な音で、音に広がりがあるのでボーカルの位置が立体的に聴こえます。超高域は、自然にロールオフしている感じです。
中域は、高域と低域とのバランスが良く、あまり出しゃばりません。
低域は、個人的には重めの音が好きなんですが、このK240 STUDIO-Y3はズズーンとくる重めの音ではなく、ズーンという感じで重低音は再現してくれないですね。 そのためサビの部分の迫りくるベースの音が、少し軽い印象です。
「Basie plays Hefti」で試聴。
ニール・ヘフティ作編曲集、やはりニール・ヘフティ編曲は素晴らしい。
ジャズのカウント・ベイシーを聴くと、音が真っすぐに飛んでくるので、とても生々しいです。
音場が広く楽器の音がスコーンとくる感じです。昔のジャズ喫茶にあったようなホーン型スピーカーのような音ですね。
うん、音がスコーンと飛んで来てなかなか気持ちがいい。
【主な仕様】
■タイプ: ダイナミック・セミオープン型
■インピーダンス: 55Ω
■最大入力: 200mW
■再生周波数帯域: 15~25,000Hz
■感度: 91dB/mW
■プラグ形状: 3.5㎜ステレオミニプラグ(金メッキ)
■ケーブル長さ: 約3.0m、ストレートケーブル(着脱式)
■質量: 約240g
■付属品: 6.3mm標準ステレオ変換プラグ
イヤーパッドは、耳をすっぽり覆うような感じで上下左右に動いて、付け心地はなかなかいい感じがします。
AKGの上級機程ではありませんが。
ケーブルは、脱着式でリケーブルが可能です。ただケーブルの値段が、本体と変わらないくらいの価格なので、あまりおすすめしません。
ヘッドホンの造りは、ガッチリしていてハードな使用にも耐える耐久性があります。
【私の評価】
満足度 ★★★★☆3.5
高域の質 ★★★☆☆3
中域の質 ★★★☆☆3
低域の質 ★★★☆☆3
細やかさ ★★★★☆3.5
迫力 ★★★☆☆3
音場の広さ★★★★☆3.9
K240 STUDIO-Y3 は、音の広がりがあり、音の定位や奥行きも正確なので、楽器や音楽をモニターするには最適なヘッドホンです。
音は、とても自然なサウンドで高域、中域、低域と強調する部分がありません。
個人的には、モニターサウンドよりも、ちょっと味付けのあるリスニング用ヘッドホンの方が好きなので、3.5という評価になりました。
どうもすっぴんの美少女よりも、ほのかにシャネルなんかの香水がかおる人の方が好みなんですね。
音をモニターしたい方には、特におすすめです。
価格は、モニターヘッドホンとして6,000円前後と抜群のコストパフォーマンスを誇ります。